会社員の服選び。時々スキー from TOKYO

中高年への極私的服選び+ライフスタイル提案blog

思わせ力②

勤務先は支店、配属部署は本社という曖昧な勤務形態から数か月。何だかんだ言い訳をつけて、本社出勤になった。確か2月位だったと思う。4月になり辞令が出る前には潜り込もうとした。仙台を離れた時点で思いは一貫していた。会社の経営状況はどんどん悪化する一方。

 

どうせ辞めるなら自分の地位を上げれるだけ上げて、転職時の市場価値を上げて転職する。

 

まだ独身だった頃は仙台に戻る考えもあったかもしれない。東京にいてもいい。お金さえあれば帰省費、スキーへの旅費、道具代など困らないから。
傍に雪があったってお金が無い事には何も楽しめないのが現実。それよりなら雇用形態がしっかりしている場所で仕事をしていればいい。
「お金があれば何でも出来る」とは言わないけど、有るに越した事はないだろう。

今日現在の世の中がそうだ。

 

2017年の春は「一部上場企業の子会社の本社のスタッフ」であった。
これだけでも十分だったが、東京にいると、欲は出てくるものである。
財界人との出会い、服飾会の著名な方との出会い、今のカミサンと出会ったのもこの頃だ。

クラシコイタリア協会の会長と会う機会に恵まれ、チャラチャラしたドレスアップしたオヤジが多い中、ネイビーを基調としたスーツ姿の俺に「一緒に写真を撮ろう」と言われたのはいい例だ。自分自身の装いは正しいんだという自信になった。
良い出会いに恵まれたかったら、服のパワーはおろそかにしてはいけない。

 

買う服はどんどん高額な物になっていったが、中途半端な額の物は全て処分した。
自分と寄り添うものが出来るか疑問で、高価すぎて躊躇して着ている服ばかりだが、今ではすっかり着馴染んだ愛着のあるものに変わっている。

 

大きな企業というものは意味のない体育会ルールが多く存在するものである。
・夏はボタンダウンにネクタイをしてはいけない。
・ポケットチーフをしていたら生意気だ。
の類である。洒落込む(生意気な奴の刻印を押される)≒ルール通りのしっかりした着こなしと見なされる。そんな体育会系の矛盾は無視し続けた。


会社のルールより、正しい服の着こなしを続けた事で出会いに恵まれた事は貴重な経験だし、いつ誰と出会うかわからない状況で服一つ疎かにしてはいけない事は身に染みていた。

 

そして、配属部署はある日、廃部になる事になる。新社長就任がきっかけである。
新社長はポケットチーフを指し、「今日、新入社員の前でスピーチするけどこのチーフの入れ方どうかな?」等、
俺の知識に賛同してくれる方だったが、部署が無くなる=支店に逆戻りでは東京に来た意味はなくなる。上司を始め、お世話になった色々な方を裏切る事になる。初志貫徹したかった事はその会社、上司に服従する事ではなかったから。